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なんでなの?デジカメ動画機能が30分までしか撮影出来ない理由

デジカメ動画機能が30分までしか撮影出来ない理由

一眼カメラやコンパクトデジカメでも動画撮影機能を搭載したカメラが多数出回っていますよね。

ビデオカメラと違い大判センサーを備えた一眼カメラはビデオカメラには出来ない豊かな映像表現が出来るので、映像業界の方々も活用しています。

そんなデジタルカメラの動画機能ですが、撮影時間が短いのが一つネックになっていました。

短い撮影時間とはズバリ、30分しか撮影できないこと...

正確には1回の撮影で29分59秒までしか連続記録できない縛りがあるです。

全てのカメラではありませんが、デジカメの動画機能は30分以上撮影できないものがほとんどです。
29分59秒で強制的に収録が止まってしまいます。
勿論、止まったところからもう一度収録を開始すれば、又そこから29分59秒収録する事は出来ます。(収録メディアの容量が残っていればですが)

それでも、収録を一度カットしてまた収録を開始するその瞬間は未収録の時間が必ず出来てしまうのです。

一般のユーザーの方なら、1カット30分以上も長回しする事は少ないでしょうから、あまり問題にはなっていませんが、 映像制作を業務で行なっているような人からしたら、これは大問題です。

例えば舞台やライブ、イベントなどの収録は1シーン30分以上なんてよくある話です。29分59秒までの時間の中でどこかで一回収録をカットしなければいけません。

インタビューの収録もそうです。
お話をして頂く方が後半に話がノッテきて、カットするタイミングが無いなんて時も...カメラは無情にも29分59秒ピッタリに強制的に収録を止めます。

何故?こんなにも不便な縛りがあるのでしょうか?

勿論メーカーが意地悪している訳ではありませんし、技術的に問題がある訳でもありません。

それにはある理由があったのです。

29分59秒までしか収録できない理由

関税の問題

それはズバリ、間税です。

間税?
そんな理由なの?と思われるかと思いますが、そんな理由です。

欧州連合(EU)に輸出する時の、写真撮影用のカメラとビデオカメラとでは輸出の際の間税の割合が大きく変わってしまうのです。

EU圏内の関税を決める「関税品目分類委員会」が、連続30分以上動画撮影できるカメラはビデオカメラに分類して高い関税をかけることを決めました。

そんな理由により、一眼カメラなどの写真用カメラに動画機能を付けた場合、動画収録連続時間が30分を超える場合、そのカメラはビデオカメラと見なされてしまうのです。

そんな間税を回避する為に写真用カメラの動画機能は29分59秒までしか連続撮影出来ないよう、メーカー側が自主規制をかけていたのでした。

ちなみにEUに輸出する際、どの程度の間税がかかっているのかというと、 デジタルカメラだと間税0%と間税が掛かりませんが、「テレビビデオカメラ」で4.1%、「ビデオカメラその他」の分類になると10.5%もの間税が掛かります。

canonやNikonなどのカメラはジャパンブランドと確立され、プロアマ問わず世界中の人が使っていますから、間税によるメーカーの利益損失も大きくなってしまいます。
企業としては致し方ない苦肉の策だったのでしょうね。

しかし!そんな29分59秒の呪縛から解放される時がきました!

祝!2019年2月1日ビデオカメラの間税撤廃

日EU経済連携協定発効により一部製品の間税が撤廃されることになりました。
なんとその製品にはビデオカメラも含まれていたのです!

そうです!これによって30分以上連続収録できるデジタルカメラが標準仕様になってくることが期待できます。

メーカーは勿論、ユーザーにとっても喜ばしいことですよね。

これからは収録時間に縛られないカメラがドンドン登場することを期待しています。


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